Q&A

Q. 地震に強い家が希望です。耐震性能のランクを上げれば、地震保険の割引も受けられると聞きました。

  1. A.現在の建築基準法を遵守すれば、数百年に一回の地震でも倒壊しない強度は確保されます。 
    耐震性能というのは、性能表示制度(品確法)の中の格付けの一部です。
    基準法程度の強度ランクが1、その1.25倍が2、また1.5倍が3となります。


 ランクを1から2へ上げると、年間保険料は¥3,600割引となります。(木造)
 ただ、性能表示制度を利用すると、申請や検査に係る費用が15万円必要となります。
 割引目的であれば、償却に40年以上かかることになります。


 当設計室では、原則として基準法程度の強度設計を行っています。
 耐力壁(筋交いなど)を多少増やせば、ランク2程度の強度にすることはそう難しくありません。

 極論すれば数字遊びなのですが、 大切なのはバランスと確実な施工です。


 設計監理専業の事務所に依頼する訳ですから、間違いの無い設計と現場監理をするのは当然です。
 性能表示の数字主義に余計な費用を支払うのはどうかと考えています。
 


Q. 大断面集成材によるラーメン構造は在来工法と比べてコストは割高になりますか。


  1. A.割高になります。
    構造材にかかるコストが在来軸組工法と比較すると5割増となります。
    5割増というと大きな金額ですが、2階建て40坪の在来工法での構造材コストは300万円程度ですから、集成材ラーメン構造の場合は単純計算では450万円になります。
    坪単価に換算すると3.75万円ですね。

    決して小さくはないコスト差ですが、壁(耐力壁)が不要で、スパン(梁間)が最大6m可能ですし、プランによってはSI(スケルトン&インフィル)にも対応できます。                        あえて(無理に)採用することも無いのですが、個人的には小住宅に適していると考えています。間仕切りや構造壁を極力省いてオープンな大空間が確保できるからです。
    難点は、接合金物を中心として扱うことの出来る業者が限定されることです。同じことはSE工法にも当てはまりますが、もう少し柔軟な流通を期待して止みません。


 

Q. 1000万円の予算で新築したいのですが、可能でしょうか。


  1. A.無理ではないと思います。ただし、いくつかの条件があります。
    延べ面積20〜25坪で、特別な基礎工事が不要なこと。
    シンプルな箱形で、間仕切りや建具も最小限であること。
    仕上はモノグレードで、簡素な設備機器を設置すること。

    ※こだわりを明確にして、住み手の思い入れを反映すること。


Q. コストについて

設計事務所に依頼する場合、どれだけ建設コストがかかるのか不透明で心配なのですが。

  1. A.確かにその通りです。メーカーのように定型のものがある訳ではありませんから。
    そのために、最初に予算をお聞きし、ご要望と摺り合わせながら計画を進めています。
    場合によっては、直近の事例を参考にコストのお話をいたしますが、それとて決定打にはなりません。

    同じ構造や規模であっても地盤や敷地条件は異なりますし、何より「他と同じもの」では納得されない方が多い中、こちらも出来る限り新鮮な提案がしたいと考えています。

    また、通常は建物だけではなく設備や造園などトータルで計画します。極論すれば、引き渡しの後はカーテンと電話を持ってきてくだされば即居住可能な状態を想定しています。ご不明な点、ご不審なことなどあれば率直にお聞かせください。事例は多々ありますから、ご要望に対する概略のコストを説明させていただきます。


Q. 床暖房について

オール電化住宅において温水式あるいは深夜電力による蓄熱式による床暖房を検討していますが、どちらの方式が良いのか分かりません

A. 近年、床暖房を採用する住宅が増加しています。快適性、安全性が認められ、実績に伴って設置コストもそれなりに採用しやすくなったことも大きな理由の一つです。

 当然のことながら、床暖房は輻射式ですから室の主暖房として用いる場合はできるだけ敷設面積を大きくして、できるだけ長時間作動させることが基本となります。

 元来、寒い地域で長時間室温を保つ、という概念がありますから局所的、一時的な使い方はあまり馴染まない、といったほうが正確かも知れません。

■床暖房の種類と特徴■

1.温水式床暖房システム(熱源は灯油またはガス)

 温水式とは、室外に設置されたボイラーにより沸かされた循環液(30℃〜80℃)をポンプにより室内に敷設された床暖房放熱部に循環されるシステムの総称を指します。灯油またはガスをエネルギー源としたものが一般的です。

 温水式床暖房採用時の注意点としては、一つに室外機(ボイラー)設置スペースの確保にあります。ガス式は比較的コンパクトに納まりますが、灯油式にはボイラー以外にオイルタンクスペースが必要となることです。

 もう一つには、温水式のみならず電気式にも共通することですが、室内の放熱部分の機能および耐久性に重点をおく必要があるということです。床暖房は、当たり前のことですが床下に放熱部を組み込む隠ぺい配管が基本であるため、メンテナンスが困難となるのが常だからです。

2.電気式床暖房システム(昼間電力または深夜電力)

 電気式は、循環液なるものの存在は無く、電気ヒーターを床下に組み込むシステムの総称をいいます。温水式に比べボイラーの設置スペースは不要で、ボイラーのメンテナンスにかかる費用は必要ないのですが、昼間電力を使用した場合には、かなりの高額なランニングコストが必要になります。また、近年電磁波による様々な障害も報告されています。

 この欠点を補うために現れたのが、格安の夜間電力を利用した蓄熱式床暖房システムです。さまざまな追跡調査の結果、ランニングコストは灯油よりも安く済むことがわかってきています。また、通電時間は通常23:00〜7:00までですが、24時間中室温が保たれることも実証されています。

 そういった意味では在宅時間の長い家庭にとっては最も理想的なシステムと言えます。しかし、このシステムは他のシステムとは異なり、基本的に1日単位での方法でしか温度コントロールが操作できません。

3.コストについて

 ランニングコスト(運用に必要なコスト)は方式に応じて大きく変わります。一般的には、

深夜電力蓄熱式<灯油熱源温水式<ガス熱源温水式<昼間電力式ですが、深夜電力蓄熱式は24時間暖房を基本としていますから、直接的な比較は難しいと思われます。

 イニシャルコスト(設置に必要なコスト)は敷設面積により若干の差は出ますが、一般的には、

昼間電力式<ガス熱源温水式<灯油熱源温水式<深夜電力蓄熱式となります。

 輻射暖房の基本からすると、少ないエネルギーで期間を通して暖房を続ける方式が最も望ましいということになりますが、寒冷地以外では抵抗があるかも知れません。

 ボイラーを使用すればCO2の発生が伴います。環境面からすれば、なるべく余分なCO2は抑えなければなりません。

 また、設定温度を上げ過ぎると低温火傷や部分的な加熱による建築への障害も心配されます。

そういった条件を総合判断して、床暖房を採用することになりますが、オール電化住宅なら深夜電力蓄熱式が最有力候補になると考えています。

Q. 暮らし方相談


よくある相談というより住宅に対する要望の中で,

・片付けが上手くないから、収納を効率的にできるような計画を。

あるいは、

・子どもが家族のいる場所を必ず通るように。

というものがあります。

A. 考え方はそれぞれなので標準解はないにしても、いつも考えさせられます。


まず、収納についてですが、本質的な部分を改善しないことには、ハードで解決することは難しいと考えます。

片付けが苦手というヒトはたくさんいます。

苦手というか、気持ちが伴わない(失礼!)ということもありますし、本当に得意でないヒトもいるようです。


得意でないヒトに充分なスペースを提供しても、まず片付くことはありません。また、あればあっただけ使ってしまいます。


やはり、これまでの生活を自他共に再認識し、大きく気持ちを切り替え、適材適所、モノを増やさない工夫をするしかないと思います。

もちろん、物理的な収納スペースは最低限必要なのは言うまでもありませんが。


子どもが親の顔を見ることなく、玄関から自室へ出入りすることを嫌うためにリビング階段などというものも出現していますね。

子どもに個室が必要かどうか、という基本的な考えにまで発展する難しい問題です。


これを言ったらオシマイかも知れませんが、あえて。

・子どもが帰った時、顔を見せる親が家にいますか?

・家族での最低限の挨拶はしていますか?

・子ども部屋に入っていれば安心、というような考えはありませんか?

世の中、なかなか難しくなって、価値観というコトバの元に様々な考えが蔓延していますね。


住宅を考えるということは、そういうことも含めて、じっくり時間をかけたいものですね。

Q. 外断熱を考えています


A. 外断熱・・・これも現代のキーワードですね。

積極断熱つまり、建物に熱が伝わらないように外側で遮断してしまう。合理的な考え方です。


そういえば、ある住宅(鉄筋コンクリート造)でクライアントの友人であるドイツ人が、内断熱で施工中の現場を見て「何で外断熱ではないのか?」と質問されたことがありました。


有効かそうでないか。

それは、建物の構造と建設地域によります。


構造で言えば、鉄筋コンクリート造なら有効。それ以外は意味があまりありません。コンクリートのように熱容量の大きな外壁材では、温度変化を受けにくいが、一旦、熱を吸収してしまうと、なかなか元に戻りません。

したがって、熱を吸収する前つまり外壁の外側で断熱することが有効となります。


地域について言えば、この東海地方の平野部であればまず不要と考えています。ただし、断熱性能を高めることは省エネにつながりますから、そういう意味では有効です。


外断熱工法も様々あり、コストもそれなりに使いやすいレベルに近づいていますが、それでもなお、エキストラコストが必要です。


外断熱を施したことによる光熱費のランニングコスト等は明確ではありませんし、結露対策の決定打となるものでもありません。


鉄筋コンクリート造+外断熱。

一度試してみたいのですが、問題は意匠性とコストです。

じっくり考えてみてください。

Q. 家相(風水)について、特に意識はしていないのですが、住宅を建てる場合、やはり注意が必要でしょうか。

A. 家相と風水は同じルーツを持ちながら、意味合いは随分違うものであると聞いています。


中国で、宅地や墓地の「場所」を選定する術が風水であるのに対し、それを取り入れた日本が独自にアレンジを加えもっぱら「家そのもの」あるいは「間取り」を選定する術として発展?させたものが家相だそうです。


風水の場合、基本的には住宅地あるいは墓地を選定する個人の運命(生まれ年など)が強く関わるようです。

つまり、占いのようなものですね。


家相はどちらかといえば、建築を定義するように発展しましたから、誰が住まおうと鬼門の位置は変わりません。

そう言えば、鬼門という概念は風水には無いそうです。

建築を定義する術、と言いながらも、いろいろ話を聞いていると何だか占い的な要素も見られますが・・・


家相と一口に言っても、占い的要素を言いだせばきりがなく、何が良くて何が悪いのか、そのうち訳がわからなくなることもしばしばです。

結論から言えば、関係ないし、信じるものは救われる世界と言ったら言い過ぎでしょうか。


生活風土に根差した内容であっても、その昔とは習慣や文化も相当変化しているし、「みる人」によって解釈が異なるのは困ったものです。


家相が良い=住みやすい、ことばかりでもないし、都市部の狭小敷地では、それどころでは無い、ということもあります。


気にされる方も相当いらっしゃるし、アタマから否定はしませんが、ほどほどに考えたほうが良いのではないでしょうか。

Q. 二世帯住宅の親との関係について悩んでいます。これからの二世帯住宅はどうあるべきでしょうか


A.  ・これからの同居形式について・

 少子高齢社会において、親族が一つ屋根の下に生活する在り方を考えてみました。

昔は長男が所帯を持つと初めから同居するのが当たり前という習慣がありました。

経済の一極集中や住宅事情等の問題で核家族が増加し、次第に同居の概念が薄らいでいきました。

近年、にわかに同居(二世帯住宅形式)が増加した理由は様々ですが、

1)相互依存

2)経済的理由

この2点の理由によるものが多くを占めています。詳しく言えば、

1)相互依存

  健康的理由(介護の必要性)、利便性(育児等)

2)経済的理由

  土地取得をはじめとする資金面、生活を共にすることによる経費の効率化

以上ですが、その理由により相互の生活の変化が少なからず発生します。


その生活の変化がストレスになるようなことは避けるべきで、事前の十分な相互理解が必要となります。

親兄弟であっても一旦生活を別にすれば、自らの生活は自ずと変化する。それはある意味自然なことです。

しかし、血肉を分けた親兄弟の場合、あるいはそうであるがために、その変化を容易に受入れられないというケースがしばしば見られます。決して誰が悪いということではなく、当たり前のことであると思います。


世間では同居形式を定型のものとして扱う傾向にありますが、一番大切なことは、

・年長者に感謝し大切に思うこと。

・お互いを尊重すること。

・中途からの同居は特にプライバシーを重視すること。

・親子関係というより、むしろ良き隣人あるいは友人という概念を持つこと。

したがって、一つ屋根の下である安心感を「付かず離れず」という生活概念に置き換え、互いの接点を「非日常」として捉えるのがこれからの同居と考えます。

ただし、将来の生活の変化に最小限対応できる計画とするのは言うまでもありません。

Q. 住宅の防犯について、どの程度考慮すればいい?

A.  最近では、打合せの初期段階によくある質問です。


ピッキングという言葉を聞くようになって久しいですが、最近では「ピッキングをしてくれない?」泥棒が多いようです。サムターン回しならまだ「技術力」を感じますが「力任せ」の犯罪も少なくないようです。

また、怖い話(聞いた話しですが)もあって、「合鍵」による侵入も相当あるようです。


泥棒はどのような場合でも、5〜10分で侵入できなければあきらめるようですから、そのための措置を考えればよいということになります。また、侵入する場所は開口部(サッシやドア)に限定されますから、対策も比較的考えやすいと思われます。


以下に対策手段を記します。

1)ピッキングやサムターン回しの対策

・防犯性に優れた錠前が最近では数多く出回っています。特性を理解し、価格と相談しながら決定します。

 注意点は、合鍵(スペアキー)が容易に製作できないものを選ぶことです。

*複数の鍵を取付けることは、時間稼ぎになるのでとても有効です。

2)サッシ回りの対策

・多くの犯罪は、サッシのロック(クレセント)周辺のガラスを割って、解除するというものです。

 網入ガラスやペアガラスは対策にはなりません。

・ガラスを割れない(割れにくい)ものに交換する。サッシのロックを複数か所設置する。

 等が考えられます。


また、敷地内に侵入させにくい手段を講じることも必要となるかも知れません。

センサー付きのライトや音響装置などは有効です。

建物の形状についても工夫が必要な場合もあります。

万が一、敷地内に侵入された場合に「死角」となる場所があると「落ち着いて作業」できてしまうからです。


上記、錠前やガラスなどは「高性能=高価格」である場合がほとんどです。

安全がタダでは保証されない世の中は寂しいものですがモノが盗られる以上に、不審者に内部を物色されるだけでも気持ち悪いし、まして生命に危険が及ぶことは極力避けなければなりません。


予算との相談になりますが、防犯については注意深く考慮しなくてはならないと思います。

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